●背景以前、ATOTOのA5Lの 7 インチモデルのディスプレイオーディオをレビューした事があったので、この商品を最初に見た時には既視感があったが、良く見たら同じ 7 インチでもこの商品は姉妹品であり別機種であった。以前レビューしたのはA5LG2B7T-S04であり、この機種は『A5LG2A7T-S02』だ。それから既にあるレビューを見ると「スマホに繋がらない」というレビューがいくつかあったのですぐに理解した。この問題の修正方法を周知するためにもアマゾンやセラーがレビューを薦めてくれたものと思う。●AndroidAutoのネットワーク設定の修正方法このディスプレイオーディオをスマホとBluetoothで接続することは簡単にできる。小生はGoogle Pixel 8aを使用しているので、そのBluetoohの設定で A5L というデバイスを選んで 1234 と入力するだけ。これでスマホの音がディスプレイオーディオを通して車のスピーカーで聴けるようになり、音楽も聴けるしハンズフリー通話も可能になる。ところがAndroid Autoを使うための ZLINK5というアプリに不具合がある。Bluetoothで最初に接続した時やディスプレイオーディオのOSを再起動した時にはZLINK5は正常に起動してAndroid AutoはGooglemapと共に立ち上がり使えるのだが、エンジンを切ってしまうと次からは 100 %つながらなくなるのだ。このレビューではスイッチング電源に接続して検証しているので、エンジンの始動→停止→再始動を再現するために電源コンセントを抜き差しした。すると『A5LG2A7T-S02』が再起動後、ZLINK5の画面はずっと「接続中です。しばらくお待ちください(英語設定だと”Connecting, please wait”)」で固まっており通信が確立できない。画面上部にはZlink CarPlay/AAの文字の下に「してくださいスマホをUSBで接続またはスマホをBluetoothで接続」と変な日本語が表示されている。この不具合を修正するには、A5Lの『設定』から『ネットワークとインターネット』を選び、『アクセスポイントとテザリング』が初期設定では「ON」になっているから、ここをタッチして『Wi-Fi アクセスポイント』をタッチして一番下段にある『詳細設定』を変更する。初期設定では『アクセスポイントを自動的にオフにする』が右端に「ON」になっているので「OFF」に変更する。AP帯域幅の「 5 GHz 」のチェックを外し、「 2.4 GHz 」にチェックを入れる。この設定変更でエンジンを再始動後も Android Auto は完璧に動作するようになった!言葉で説明してもわかりにくいので、この一連の操作をスマホで撮影したので観てくれるとわかるだろう。この商品に関しては、消費者が既にレビューで正直に不具合を報告しているので問題が広く認知されているが、他のA5Lの商品にはこの問題を伝えているレビューがなく、小生が最初に問題を指摘して解決法を書いたレビューも他のレビューの影になって埋もれていた。よって問題に遭遇した人がお手上げになって星1つを付けたくなる気持ちもわかる。小生が今まで検証した 10.1 型 A5Lと 7 型 A5L、共に同様の不具合がAndroid Autoに発生している。A5Lは非常に多機能であるがゆえにデフォルトの設定では一部のネットワーク接続に問題が起きるのだ。でも、前述の修正を施せばすぐに繋げられるようになる。このように解決方法があるので上手く行かない人は安心して試してみてほしい。Googleの検索エンジンなどで詳しく調べてみると実はこの問題で困っている人達は結構いてどうすればいいのか情報交換している。小生もそのような情報を辿って行って最終的にYoutubeで解決方法を知ることが出来た。●製品概要ATOTOのディスプレイオーディオを買うに当たってチェックするところは ( 1 ) スペック ( 2 ) 画面サイズ ( 3 ) HMI ( 4 ) 付属品 ( 1 ) A5LはCarPlayやAndroidAutoを使う事を前提にしているこの『A5LG2A7T-S02』のスペックは、姉妹品の 7 インチモデルA5LG2B7T-S04と同じで、CPUは MT8163 クアッドコア 1.3GHz (Cortex-A53)、GPUはMali-T720 MP2、メインメモリは2GB、ストレージは32GBだ。Cortex-A53は汎用性に優れ多くの機器に使われており信頼性は高い。ただし結構昔のSoCなので処理能力はあまり期待できない。ATOTOのハイエンドモデルなら大容量メモリにオクタコアのSoCでパワフルなので本格的にタブレットとしても使えるが、この低価格帯のエントリーモデルではメモリもSoCも限定的な性能なので、色々な機能を付けてあったとしてもタブレットのように使うのは無理がある。使ってみると昔のSoCを使っている割には動作がとても軽いが、それでも「もっさり」感は否めない。ドライブでもっさりを操作するのは控えたほうが良い。なので、このようなエントリーモデルではBluetoothでCarPlayやAndroidAutoを使う事を前提になる。それならBluetoothでデータを受け取って表示するだけだからメモリもSoCも高性能でなくて良い。全自動でマップ表示してスマホの音をカースピーカーから鳴らしてくれるのでこれで充分だ。 ( 2 ) 画面サイズ7インチモデルの A5L の画面は、6.1 インチのGoogle Pixel 8a の画面より幅は広いが長さはほとんど同じだ。ナビにはダッシュボードの上に設置するオンダッシュタイプと、ダッシュボードの中に収納するインダッシュタイプとがある。このディスプレイオーディオは標準的な 7 インチサイズのインダッシュタイプであり、どのメーカーの車のダッシュボードにも普通に収まる。画面が外側に張り出すタイプの10.1インチモデルの A5L は大画面にGooglemapとナビがでかでかと表示されるので実用的であるが、大型のディスプレイオーディオがまだ無かった昔の車には設置できないかもしれないリスクがある。 ( 3 ) HMI (ヒューマン・マシン・インターフェース)小生が以前レビューしたA5LG2B7Tと本製品の『A5LG2A7T』はどちらも 7 インチモデルであるが、違うところは機械を操作するためのHMIであり、『A5LG2A7T』はモニターの横と下部に物理ボタンが並んでいるが、A5LG2B7Tは横にタッチパネルがある。タッチパネルのボタンは夜になると光るので見やすいというメリットがある。『A5LG2A7T』の物理ボタンは運転中は前を見ながら触覚だけでボタンを探し出して押せるというメリットがある。本製品『A5LG2A7T』のHMIにあって、A5LG2B7Tにはないもの・3.5mm AUX オーディオ入力・Micro SD スロット・USB インターフェース(ワイヤードCarPlay、ワイヤードAndroid Auto、MirrorLink 接続用)代わりにA5LG2B7Tにはスマホとリンク(Android Auto/CarPlay/ミラーリンク)するためのUSB入力ポートは本体の背面にあり付属の延長ケーブルで使用できる。 ( 4 ) 付属品ATOTOの A5L ディスプレイオーディオを買う時は、何が付いてくるかを確認すると良い。例えば下記のような付属品が付いてくる。・フロントカメラ・リアカメラ・ODB2アダプターこの商品の付属品は、フロントカメラの 1080P USB DVRオンダッシュ カメラ(AC-44P2)だ。このカメラは別売りもしていて 6000円程で買える。1080P USB DVRオンダッシュカメラ(AC-44P2)https://www.amazon.co.jp/dp/B082CXDFVQ/AC-44P2を使用するには付属する延長USBケーブルを繋いでUSB-AコネクタをA5Lのデータ転送用USB-Aポートに接続すればよい。DVR CAMアプリを使ってカメラに映った映像を確認できる。また、カメラの横に差込口があるのでここにMicro SDカードを挿すと録画ファイルを保存できる。解像度は1080Pと限定的であるが綺麗に映る。6 m先の車のナンバープレートの数字も読める。ただ、フロントカメラの解像度としては低い方なので、これだけで済ますのはちょっと心もとない。本製品の『A5LG2A7T』はエントリーモデルで非常に安いので、これと一緒にバックミラータイプのドラレコを併用する事が安全運転する上でベストの選択だ。小生が併用しているドラレコは以下の製品である。【最新版分離式・4K・BSD運転補助・高耐久 Type C採用】VANBARドライブレコーダーhttps://www.amazon.co.jp/dp/B0BM4HD322これは4Kでソニーセンサーで画像がすごく鮮明で綺麗だしAIで車や人を認識して通知してくれるナイスなカメラで 2 年以上使っているがタフで不具合が全く起きない。この A5L ディスプレイオーディオとこのミラー型ドラレコを一緒に使うと完璧なドライブになる。また、他のATOTOのA5L商品に付属する、カースキャナーのODB2アダプターの ATOTO AC-4450 Bluetooth OBDIIなら2400円ほどだし、リアカメラのATOTOZONE AC-HD02LR 720P バックカメラなら4500円ほどで別売りで買える。●プリアンプとDSPATOTO A5L シリーズのディスプレイオーディオは最大 45 W/4Ωの出力がフロントとリアの左右に4 基あり、最大 180 W出力に及ぶハイパワーだ。10.1インチモデルのA5Lを初代アクアに設置してスマホとBluetooth接続すると、この車のスピーカーはこんなポテンシャルがあったのかと感心するクリアな音質になり、しかも音を上げていくと全身に震動が伝わるほどの大音量が出せてビックリした。●HDMI出力ポート本体背面にHDMIの出力ポートがある。延長ケーブルで這わせて後部座席のヘッドレストモニターにも表示できる。●スマホリンク用USB入力ポート本体正面の横にUSB入力ポートがあるので、これを使うとスマホと有線接続してAndroid Autoが使える。●総評画面は小さいので実用性からすれば10.1インチのA5Lの方が上だと思う。ただこの 7 インチのコンパクトサイズは昔の車のダッシュボードにも収納できるし、他にも色々なところに置けるメリットがある。DIYで専用のケースを作って家の中でアンプとして使っても良いなと思う。スイッチング電源を使用して、パッシブスピーカーやサブウーファーと接続して自作のオーディオシステムを構築するという楽しみがあるし、また、12V バッテリーを使えば屋外でも使える。GPSが使えるし、HDMI出力も出来るし、ラジオも使えるし、実に面白いデバイスだなと思う。Android Autoのネットワーク設定の不具合があるからそれを周知する上で星 1 つ減らしておくけど、その不具合さえ攻略すれば、カタルシス出まくりで最高のドライブ体験ができる。●12 V スイッチング電源や 12 V ナトリウムイオンバッテリーで動かした現在、小生は 10.1 インチの A5L のディスプレイオーディオを初代アクアで使用しているので取り外すのは大変だ。なので、この 7 インチの A5Lのレビューでは、 12V スイッチング電源及び、12 V ナトリウムイオンバッテリーを使用して検証している。製品マニュアルには電圧 12 Vで定格電流は 15 Aとあるので 180 W出せれば充分。スピーカーで音を出さなければ省エネになる。・スイッチング電源でA5Lに給電する使ったのは以下の製品LETOUR スイッチング電源 直流安定化電源...